ぶとしの日記

ぶとしが生きていて思ったことを綴っていきます。

教育ニュースにおけるHidden Message

昨日のNHKのニュースで、学校で1人一台のタブレット利用に向けた取り組みが進んでいることが取り上げられていました。教育ICT見本市の様子が取り上げられたり、実際の学校現場での活用方法が紹介されたりしたニュースなのですが、そこで気になる表現がありました。

 

文部科学省の調査では、授業でICTを利活用できると回答した教員は67%しかおらず、今後の研修やサポート体制の充実が求められています

 

という表現です。

 

えーーー、67%「」じゃないですか?
 
3分の2の先生が活用できてるってすごくないですか?
 
と思ったんです。
 
このブログで述べられているように、教員の平均年齢は上昇しています。今でこそ、都市部での教員採用試験の倍率は下がっていますが、地方では50代の教員が多数を占めていて若い人が先生になりにくい地域も沢山あります。そんな高齢化集団なのにも関わらず、67%もICTが使えるって凄いことに思えます。
 
もちろん、ICT活用といっても、
「電子黒板をバリバリ使いこなしています」という人もいれば、
「補助教材のDVD(VHS)を機械にセットできる(だけ)」という人もいるでしょう。
 
ICT活用のレベルは様々だとは思います。だけど、67%という数字は、結構たくさんの先生がICT使えるんだ!って捉えられる数字のような気がします。
 
もちろん、単純に考えて、新しい機器が導入された際に研修が重要になることは疑いないと思います。実際、研修は重要だとも感じます。ですが、「も」というのか「しか」というのかで、視聴者が受け取るメッセージは相当に変わってきます。「も」と聞けばポジティブな意味に捉えられるし、「しか」と聞けば、「先生たちはもっとICT使えるようにならなきゃいけないんだな」というニュアンスを感じるでしょう。
 
▼ 
 
先日、女性教諭が授業参観日に有給を使って「のど自慢」に行ったことがニュースになっていました。
 
女性教諭:のど自慢か、授業参観か 中部の50代、年休取り出演(毎日新聞 2014年05月17日)
 
記事によれば、
校長は「本人は授業参観と重なったことを気にしながら年休を申し出た。あまり好ましくはないが、許可せず本人の教育への意欲をそぐより、許可した方が教育に身が入ると判断した」と説明。「生徒や保護者からの不満の声も届いていない」と話している。
 
 中学校がある自治体の教育委員会は「校長が許可したのであれば、それが適切な判断だったと理解している」としている。

 

とされています。 

 

校長も認めていて、申請する本人も申し訳無さそうにお願いをし、保護者からのクレームも来ていないんです。(仮にこの記事が真実を記しているの)であれば、何も問題はないような気がします。

 

高校の先生が入学式を休んで自分の子どもの入学式に行ったことがニュースになって波紋を呼んでましたが、今回は保護者がいいって言ってるのだから外野がわざわざ騒ぐことでもないと思います。ニュースになるということであたかも、学校の先生に問題があったかのような印象を抱きます。
 
 
学校の先生は、世間知らずであったり、最先端の機械に疎かったり、ネガティブなイメージとともに語られることが多くあります。一方で、時には聖職と言われ、社会の規範となることも同時に求められています。この役割期待があるからこそ、ニュースにおける学校の先生は、ネガティブに描かれやすくなります。
 
 
いろんな先生がいるとは思うけれど、先進的でポジティブな取り組みにもっと注目が集まれば良いのになぁと思います。と同時に、いっぱいいっぱいになりながらも働いている先生たち一人ひとりが、勇気付けられるような言葉が増えていけば良いのになとも思います。
 
では。