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ぶとしの日記

ぶとしが生きていて思ったことを綴っていきます。

高等教育の支出増加vs高度な専門性

韓国で、国立大学の学費を半減するという政策が打ち出され、その行方が注目されています。日本同様に韓国も高等教育への家庭支出が大きい国の一つであり、韓国の動向が日本にどういった影響を与えるのか注目してみています。

よく言われることですが、欧州では公立の大学はほとんどが学費がゼロです。さらに、奨学金(日本で言われる奨学金は返済が必要な教育ローン。世界では奨学金=scholarshipは、返済不要のお金を意味する)が充実しており、生活費を支給してもらいながら大学にいくということが容易にできます。

だから、日本も返済不要の奨学金を増やすべき、というのは至極真っ当な意見でその通りだろうとは思います。一方で、仮に奨学金が充実していようと、現在の高等教育にそれだけの時間をかけるだけの価値があるかと言われると、なんだかなぁという気がします。

だって、遊ぶでしょ。受験が終わって疲れてるから一年、二年は休憩。やっと本腰入れて勉強しようと思ったら就職活動でした、てへへ、みたいな人も少なくはないと思います。

もちろん、時代は移り変わって勉強する大学生も増えているとは思いますし、大学も、アクティブラーニングの推進や初年次教育の充実など、学生の意欲向上に向けた取り組みをしているのは重々承知しております。それでも、大学の4年間というのは、長すぎるんではないの?気もします。

ちょっと浪人や留年をしたり、大学院に進学したら社会出るのは20代の後半になります。その間の教育費及び生活費をだやが負担するのかといえば、親か自分(奨学金で未来の自分に借金)です。それが給付の奨学金で賄われるとしても、うーむ、と言う感じがします。ま、今の20代には定年などないでしょうから、20代後半で社会にでても40年近く働かなきゃならないのですが。


他方、学生が学生時代に身につけるべし、とされる能力は年々変化をしています。その際たるは、英語、です。日本は韓国のように、TOEIC900点以上じゃなければ足切りという企業文化ではないにしても、「グローバル人材育成」と言われるように、世界で活躍する日本人をいかに育成していくのかに国は熱心に取り組んでいます。(グローバル人材育成という言葉も、眉唾だとは思いますが)

その取り組みの一つに、スーパーグローバルハイスクール(=SGH)があります。これは、グローバルリーダーを育成する高校に対し、5年を目処に補助金を与え、各校独自の取り組みを促すものです。スーパーグローバルハイスクールについて:文部科学省にリストがありますが、基本的には、各県の進学校が採択されてSGHの指定を受けています。

これ、どうなんでしょうね。

もちろん、SGHの指定を受けた各校の先生は相当の努力をされてSGHを充実した取り組みとするために苦心されているはずです。先生の立場であれば、どんな予算であったとしても予算を獲得し、生徒の学習環境の充実に勤めるのが責務だと思いますし、残業代がでないのに夜遅くまで頑張っている先生も沢山いらっしゃると想像しますし、その姿勢には胸が痛む思いではあります。

しかし、5年間で2000万円弱の補助金が入ったからと言って、スーパーグローバルな学生が育成できるのかと言われれば、現実問題として難しいでしょう。そもそも、スーパーグローバルって何なん?ということはここでは置いておきますが。

2000万円、単年で400万円のお金が使えると言ったって、iPadや電子黒板を入れ、グローバルに活躍する大学の先生の講演会を開催して謝金を払い、保護者が来訪しやすいように学校の備品を買い足したりといった用途でしょう。

特別な学習内容を用意すると言っても、既存の先生が総合的な学習の時間を使ってなんとか授業を組み立てる程度しかできなそうな気がします。ただでさえ、忙しいんですから、先生方の負担が増えることは目に見えています。

それでも、グローバルな社会で即戦力として活躍できる人材が育成できるかといえば、それはとても難しい課題で、普通の高校だけで受け持てるものではないと思います。


一見関連がなさそうな、高等教育の支出の増加の話とSGHの話。双方の課題を解決するシステムがないのか?というのが今日の本題です。

私は、SGHでやりたいことを、高専でやったらいいんじゃないの?と考えています。5年間で英語や中国語などの語学に加えて、ビジネスで必要な会計や人材管理の知識、そしてリーダーシップを体験的に学んでいく高専です。

今、高専は工業しかありません。技術者が必要な時代に、短期間で能力が高い企業人を育成するための組織として、高専ができ、技術系の会社を受け皿として高専は機能してきました。高専を卒業して大学3年に編入する人もいるし、そのまま20歳で企業にいく人もいます。


これ、別に工業だけでなくても構わないんじゃないかと思うんです。グローバルを基準にした高専があってもいい。確かに、中学3年生で自分がなにしたいのか分からないって人は多いと思います。でも、そんなの何歳になったって明確に分からないって人が多数です。実際は、自分が選んだ選択肢の中で自分の役割を見つけ、なんとなく自分のアイデンティティを確立していく人がほとんどだと思います。

でも、中学3年生でグローバルに活躍する人になりたいって漠然と思っている子どもや、大学4年間行かせることの価値ってどうなの?って思っている親にとっては有益な選択肢となります。企業にとったって、若くて専門的な学習をしてきた人材の訴求力はかなりあると思います。会津大学国際教養大学が採用市場で注目されていることからも、競争力は確実にあると思います。


既存の学校に機能を付け加えるよりも、こうした新たなコンセプトの学校が増えていく方が、よっぽど本来の目的には早くたどり着けるはず。

ではでは。